2023年7月25日(火)に開催される井上尚弥vsスティーブン・フルトンですが、試合予想がたくさんでてきたのでまとめてみました。記事を書いてる人自体はただのボクシングファンで、元ボクサーやYouTube解説などの人たちの情報をまとめてるだけですので、その前提でお読みください。
大方の予想や前提情報
今回、井上尚弥の今までの対戦の中でも最も苦戦する可能性があるとされるフルトン。今まで階級アップや名だたる世界チャンピオンを倒してきた井上尚弥がなぜ最も苦戦する可能性があるとされるのか?その要因は主に以下です。
- 4階級目の階級アップ
- フルトンはスーパーバンタム級の中でも大きい部類に入る
4階級目の階級アップ
これはシンプルにボクシングは階級スポーツなので、上がれば上がるほどどんなに優秀なボクサーでも壁にいつかは当たるという点です。それが今回のスーバーバンタムなのかもっと上なのかは未知数ですが、不安視される情報と逆に不安が払拭される情報を記載していきます。
不安視情報:4階級制覇は当然ながら難しい
井上尚弥はPFP(パウンドフォーパウンドの略。全階級をみて仮に全員が同じ階級だったとしたら誰が最強なのか?を予想したランク)のTOP1~3位と評価されていますが、少し前ですが、軽量級ながらPFP1位の座にいたローマン・ゴンザレスは4階級目で王座獲得後ではありますが敗れました。
また日本の歴代世界チャンピオンでも4階級制覇を成し遂げたのは井岡一翔のみで、3階級制覇王者が前述の井岡と井上尚弥本人を除くと4人(亀田興殻、長谷川穂積、八重樫東、田中恒成)のみ。いかに複数階級で渡り歩くのが難しいかがわかります。
また、井上尚弥はプロキャリアをライトフライからスタートさせてますので、実質的には今回のスーパーバンタム級転向で4階級ではなく、5階級目となります。
しかも相手がその階級でも最強とされる2団体統一王者であり無敗のフルトンなのであれば、やはり難しい相手になるというのは当然な予想といえるでしょう。
不安を払拭する情報
ただ、上記の不安視される情報はあくまでも一般的な理論や過去の情報であり、ほとんどの場合井上尚弥には当てはまらないことも多いです。
まずローマン・ゴンザレスですが4階級目からはあきらかに身体が作れていないと評する方が多いですが、井上尚弥は直近の公式練習の際に見せた身体を見ても、あきらかにバンタム級の後半時代よりもさらに仕上がりがすごく、顔つきも肌つやよく良好なコンディションであることがうかがえます。これは、井上尚弥本人や大橋ジムのチームが2023年からスーパーバンタム級に階級アップすることを見越して、バンタム時代から身体を作ってきたことも大きな影響であるとされています。(ジムの先輩である八重樫東トレーナーを個別にフィジルカルトレーナーとして途中から入ってもらってる)
したがって、フルトン戦の調整をし始めてから身体を作っているのではなくもっと前から身体を作っているので、バンタムが適正階級であるとされていた井上尚弥は既にスーパーバンタムに適応できていると言えるでしょう。(普段の体重も63~64kgくらいあるとぶっちゃけチャンネルで公言しており、バンタム時代は64kgまではなかったとのことです。)元々規格外のパワーが、さらにアップしてくるのが楽しみです。
ただ身体が大きくなるといっても筋肉量であって、身長やリーチは伸びないのでその点は変わらずフルトンの強みになるはずです。
フルトンは大きい
フルトンはプロキャリアをスーバーバンタム級からスタートしており、井上尚弥との対戦が本格的に調整が入るまでは、フェザー級にあげて2階級制覇やキャリアの中では比較的接戦だったフィゲロアとの再戦を視野にいれるなど、今の階級よりも大きい身体を持っていることがわかります。
また身長やリーチは井上尚弥よりも長く、特にリーチ差は10cm近くありこれはかなり有利です。
過去、井上よりも身体が大きいと評されていたのはジェイミー・マクドネル、ノニト・ドネア、ジェイソン・モロニーあたりで、一番フィジカル的に近いのはマクドネルっぽく見えますが、彼は減量失敗してボロボロだったしそもそも力量差がかなりあるので、あまり参考にならないかなと。ドネア、モロニーも大きいとはいえリーチがフルトンほど長いタイプでもないですし、アウトボクシングに徹するタイプでもないので、こちらもあまり参考にならないので、フルトンの身体の大きさがどこまで井上にとって壁になるかは未知数といえるでしょう。
日本の元プロボクサーの予想まとめ
では上記前提情報踏まえたうえで、まずは日本のプロボクサーの予想です。
内山高志さんの予想
井上尚弥が後半ラウンドでKOか判定で勝利するという予想でした。ただ、フルトンのジャブはかなり厄介なはずだと分析。前半からポイントが大きく振れることはなさそうだが、井上尚弥は想像を毎度超えてくるので、予想を覆して前半でKO決着も十分ありえるのではとのことでした。
(内山高志:元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者。ノックアウトダイナマイトの異名を持つ。井上尚弥がスーパーフライ級時代に拳を怪我した際に本人からアドバイスを求められ、手術を勧めた等親交もある。)
畑山さん、竹原さん、渡嘉敷さん(ぶっちゃけチャンネル)
井上尚弥が圧勝するという予想。KOではない可能性もあるが、判定だったとしても圧勝するという予想。
畑山さん曰く、スタミナがない、竹原さん曰く、フルトンは結構打たすシーンもあるとの分析。コメントやSNSだと割りとこの予想に対してフルトンを過小評価している、と批判的な意見も見られますが、実際YouTube見てるとフルトン自体を過小評価はしてないんですよね(過大評価もしてはいないですが)。
井上尚弥が強すぎて、圧勝するという結果的に飛躍的に見える予想となっています。
(畑山隆則:元WBAスーパーフェザー、ライト級の世界2階級制覇王者。
竹原慎二:元WBA世界ミドル級王者。日本人として初のミドル級での世界王者。
渡嘉敷勝男:元WBA世界ライトフライ級王者。)
具志堅さん
井上尚弥が早い回でのKOとなるか、長引く場合は判定で勝利になるのではという予想でした。
具志堅さんは井上選手の拳の状態、フルトンのウェイトコントロールがまずは気になるとのことでした。
田口良一さん
「井上君が圧勝するでしょう」と予想。実際に日本ライトフライ級の挑戦を井上尚弥から受け、3-0の判定で敗北はしたものの、モンスターの全ての対戦相手で唯一ダウンを取られていない選手が田口良一。フルトンは直接は見ていなく動画だけのようですが、「自分は、井上くん完全に有利という予想です」
フレームや身体も直近はバンタムの減量もきつそうだったから問題ないという分析。また、実際にパンチを受けた本人ならではのコメントとして、
「あの怖さは体感しないとわからないのかもしれない」と評し、井上尚弥の圧勝を予想しました。
※井上尚弥の著書では、ライトフライ時代の田口戦を通して、パンチの打ち方を変えたようで、単純に減量苦から開放されてパワーが増しただけではなく、そもそものパンチの打ち方を研究した結果、スーパーフライ以降は破壊的なパンチを実につけているので、田口選手が味わった頃のモンスターのパンチよりもさらにパワーアップしてるとなると、、やばいかもしれません。(勿論田口選手はそれ込みの予想の可能性も高いですが)
(田口良一:第35代日本ライトフライ級王者。元WBAスーパー・IBF世界ライトフライ級統一王者。)
内藤大助さん
「分かんないもん」という前段階がありつつ、5.5:4.5でフルトン有利との予想。動画途中では「井上君の身体はまだスーパーバンタム級の身体にはなってないのでは?」と言っていましたが、前述のぶっちゃけチャンネルでの体重情報をディレクターから教えてもらうと、「え、そんなにあるの!だったら。。」と驚いた様子でした。
ただ、それでも自身の実際の経験を基に井上尚弥の適正階級はバンタムなのではと考えているので、予想は変えませんでした。
ただ、予想が外れてほしいと言っているので、内心では大方の予想通り井上尚弥有利と見ているのかもしれません。
細川バレンタインさんの予想
実際動画では、明確な予想というよりかは大方の予想に対しての警鐘とフルトンがいかにすごいか、また階級上げの難易度などを提唱。
ただ、フルトンが自分の作戦を完遂しなかった場合、○ぬと予想。
その他日本人の予想
- 山中慎介:井上の大差の判定勝ちか後半KO勝ち
- 須佐勝明(井上の第二の師匠):井上の中盤から後半にKO勝ち
- 和氣慎吾:井上が勝つ
海外の元プロボクサーや現役ボクサーの予想まとめ
- ブラッドリー:井上が圧勝する
- テオフィモロペス:井上が有利
- テレンス・クロフォード:井上が勝つ
- ジャーボンタ・デービス:フルトンを応援する
- ドネア:いい試合になると思う
- フィゲロア:井上が有利だけど、フルトンが徹すればいい試合になる
- ルイス・ネリ:井上と戦いたいから井上が勝つ
- ジャロン・エニス:フルトンが勝つ
- スティーブン・エドワーズ:フルトンが有利
- ポール・バトラー:俺の戦い方にヒントがある(!?)井上に勝つチャンスはある
まとめ
いかがでしたでしょうか?こうまとめると、大方の予想は井上尚弥が有利と見てよさそうですが、ここで紹介しきれていないアメリカのボクシング雑誌や他の選手はフルトン有利という声も多いようです。
ただ、これまでの予想と違い、フルトンが強いがゆえに井上尚弥の真のすごさを証明する試合になりそうで、7月25日が楽しみで仕方ありません。自分はSRのチケットが当たりましたので、当日生観戦してきます!
テレビ放送はなく、配信はLeminoで無料視聴が可能ですので登録はお早めに。